ブックタイトル観劇サポートガイド

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概要

観劇サポートガイド

3)劇場が抱える問題劇場に求められる役割が変わり、法律によってその概念が大きく変わった今、劇場は「だれもが参加できる環境づくり」を実践していかなければなりません。しかし、2014年、公益社団法人全国公立文化施設協会が公表した「劇場・音楽堂等における障害者対応に関する調査報告書」によって、劇場が抱える問題が表面化されました。多くの劇場は、「ハードの問題」「人員不足の問題」「職員ノウハウ不足の問題」によって障害のある人たちを迎えることが難しいという考えを持っていました。最大の問題は、“各施設のハード/ソフト面における全体的な整備が進んでいない結果が出ているにもかかわらず、障害者対応において、ほぼすべての施設が「問題なく対応できた」という回答を寄せている”ことです。また、2017年の日本財団パラリンピックサポートセンター(パラリンピック研究会)と国際障害者交流センター(ビッグ・アイ)による調査報告書「障がい者の舞台芸術表現・鑑賞に関する実態調査報告書」でも、“「障がいのある人は鑑賞に訪れている。特に対応で困ったこともなければ、要望も上がってきていない」という劇場・文化施設側の偏った認識が潜んでいる”という考察があります。ここに潜んでいる問題は、個人的に対応できる障害者だけが劇場に来ていたり、そもそも来場することを諦めていたり、相談や配慮を申し出る窓口や環境がないということが想定されます。障害者であるということが理由で、劇場に訪れることが制限されているという大きな問題が隠れているのです。劇場側は、まずそのことに気付く必要があります。-25-