ブックタイトル観劇サポートガイド
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観劇サポートガイド
2)医学的視点から社会的視点へ障害者差別解消法が劇場に与えたインパクトは非常に大きかったと思います。それまでは“「障害」とは障害者自身にある心身の機能障害であると捉えられてきた「医学モデル」から、「障害」は心身に機能の障害のあるひとと社会の関係のなかの「環境」や「態度」にあるという「社会モデル」に大きく変わった”のです。アメリカのADA法(Americans with Disabilities Act)の成立に関わったといわれるトム・ハーキン元上院議員も同じようなことをいっています。1990年にADA法が施行されたとき、トム・ハーキン氏はたった一枚の絵(inspired by a public school student with disabilities)によって、これからは考え方を変えなければならない、ということを説いてまわりました。医学的視点から社会的視点にシフトしていかなければならないということです。例えば、視覚障害者を社会的視点で見ると「移動障害者」であり「情報障害者」であるといえます。移動障害者は、視覚障害者だけでなく肢体不自由の人や妊婦、ベビーカーを押している人や高齢者も移動障害者であるといえます。情報障害者も同じで、知的障害者や聴覚障害者、小さな子ども、言語的少数派、貧困層なども情報障害者であるといえます。こうして見ていくと、ある状況や観点から見れば、子どもや老人、妊婦も何らかの障害者であるといえます。これからは「障害者のために」という考え方から「社会に障害を感じる人のために」という考え方に変えていかなければならないのです。-24-